いま注目される、在タイ日本人向け教育市場 − シーラチャーで子育てセミナー

なぜ、いまシーラチャーで子育てセミナーなのか。2009年4月、タイで二番目の日本人学校としてオープンしたシラチャ日本人学校は、2015年の入学式後で生徒数388名(バンコク校は3000人超)。日本人スタッフのいる日系幼稚園が3園。市内の日本食レストランで昼食をとると、まわりのお座敷には抱っこ紐で未就園児を抱えたママグループでいっぱいの状態。

シーラチャーはタイ東部の工業団地エリアからのアクセスがよく、第二の日本人居住エリアとして、在住者の数を伸ばしています。そして、日系企業駐在家庭の多くは、20代から30代の「子育て層」なのです。

シーラチャーで開かれた「読み聞かせの大切さ」セミナーに参加する子育てママのみなさん。平日の10時開始で、40名超が集まった。
シーラチャーで開かれた「読み聞かせの大切さ」セミナーに参加する子育てママのみなさん。平日の10時開始で、40名超が集まった。

 

SAWAN Himemama


バンコクより人数の多いセミナー参加者

シーラチャーで子育てセミナーを行った翌日は、バンコクでも同様のセミナーを行いました。バンコクでの参加人数は18名。一方のシーラチャーは、参加者なんと42名。日本人学校の生徒数を比較すると、十分の一ほどの人数しかいないシーラチャーですが、セミナーには2倍以上の参加者が来場したのです。

今回の子育てセミナーでは、日本の幼稚園児向け絵本を出版、販売している会社にゲストスピーカーをお願いし、「読み聞かせの大切さ」を講演してもらいました。事前告知でも、問合せと申し込みはシーラチャー在住者からの反応が顕著で、実際に講演を聞く子育てママのみなさんの、真剣な眼差しが印象的でした。

日本で絵本を出版・販売するチャイルド社とチャイルド本社よりお招きした講師の中村さん。読み聞かせの大切さ、いつ、どんなことに注意して、絵本を読んであげるべきかについて、お話しいただいた。
日本で絵本を出版・販売するチャイルド社とチャイルド本社よりお招きした講師の中村さん。読み聞かせの大切さ、いつ、どんなことに注意して、絵本を読んであげるべきかについて、お話しいただいた。

増えるニーズ 広がる幅と深さ

シーラチャーの居住環境、子育て環境をひとことで言えば、「まだ何も無い」ということに尽きます。

日本が昭和から平成にかわるころ、バンコクでも増える日本人居住者に対応するため、日本人学校が広い敷地を求めて移転し、日系幼稚園が次々と新設されました。

シーラチャーでも同じことが起きようとしています。気軽に子どもを預けることのできる施設やサービス、学習や運動の機会を確保するための習い事スクール、悩んだ時に相談できる子育ての経験者といった、あらゆるサービス・施設・環境が足りていません。

日本人在住者の増加スピードに、街の発展が追いついていない。シーラチャーの街には、いまも小さな子どもを連れて赴任してきたばかりという、右も左もわからない駐在員家族が増えています。

こちらはバンコクで開催した子育てセミナーの様子。子連れの参加者のほか、幼稚園の先生方にもご参加いただいた。
こちらはバンコクで開催した子育てセミナーの様子。子連れの参加者のほか、幼稚園の先生方にもご参加いただいた。

(この記事は、D-Mark Magazine Vol.57 2016年2月号に掲載されたものを加筆修正しました)

著者

田村 篤
長野県佐久市出身。
海外での子育てを応援するフリーマガジン「ニコラボ」発行人
一般社団法人 日本活育推進フォーラム(長野県佐久市)代表
AGGS CO., LTD.(タイ国バンコク)、KIDS LABO CO., LTD.(タイ国バンコク)、AGGS JAPAN株式会社(東京都町田市)代表